人生100年時代をどう生きるのか|老後の生活を考える

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人生100年時代

 

いくつになっても健康で、豊かな人生を楽しみたい?

 

世界的に人生100年時代に突入した今、「健康寿命」の延伸は万人の願いです。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる」寿命のことを指します。

 

日本は人口の約30%が65歳以上という、高齢化社会を突き進んでいます。

 

日本人の平均寿命は、男性81.47歳・ 女性87.57歳*と世界でもトップクラスです(参考:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概要」)。しかし、健康寿命はそれよりも10年も短いことはご存じでしょうか?

 

この10年のギャップが意味することは、70歳を超えると何かしらの健康上の問題を抱え、日常生活が制限される可能性があるということです。

 

このいわゆる「失われた10年」問題は、過去20年間にわたり解決していない大きな社会課題なのです。

 

「失われた10年」を最小限に抑え、生活の質(QOL)向上によって一人ひとりが健康で充実した日常生活を長きにわたって送ることができる社会の実現を目指す時期に来ているのではないでしょうか。


日本の高齢者は多疾患罹患

 

寿命と健康寿命に10年もの開きがある日本の高齢者(65歳以上)の現状はどのようなものなのでしょうか?

 

様々な調査によると、予想される慢性疾患のない健康な人を除くと、日本の高齢者はがんを発症している人、感覚障害およびフレイル(高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態)がある人、心血管系および血管系の疾患を持つ人に分類されます。

 

また、別の調査によると、こうした高齢者の実に50%が4つ以上の慢性疾患を抱えていることがわかっています。

 

一人ひとりの一生を、病気の治療・治癒だけではなく、健康面においても包括的なサポートがあることで、高齢者の生活の質(QOL)向上を実現することができるかもしれません。


健康福祉ニーズに対応するイノベーションの挑戦

 

人生100年時代、満たされない社会の健康福祉ニーズはますます増えています。医療課題に対する解決策へのより画期的かつ実装可能なイノベーションが求められる中、企業や大学といった組織や分野の壁を取り払い、基礎研究を社会実装につなげようとする動きが加速しています。

 

世界でもアカデミアの研究レベルが高いと言われる日本ですが、欧米と比べると基礎研究を社会実装につなげる力に課題があることが指摘されています。このため基礎研究と産業化の間にあるギャップを解消する取り組みが進んでいます。

 

世界知的所有権機関(WIPO)の世界知的財産指標 (World Intellectual Property Indicators: WIPI) 報告書によると、2020年の特許出願数(自国を含む世界で出願した特許の総件数)のトップは中国で約150万件(前年比6.9%増)。

 

次いで米国の597,172件(同3.9%減)、日本は3位で288,472件(同6.3%減)です。世界ではトップ3にランクインしてはいますが、過去には日本がトップだった時もあります。また、文部科学省の資料によると日本の論文数は横ばいであり、他国・地域の増加により順位を下げており、特にトップ10%補正論 文数で日本の順位低下が顕著です。

 

日本発のイノベーション創出の強化が望まれています。

 


令和3年簡易生命表について

 

令和3年簡易生命表は、日本における日本人について、令和3年1月から 12 月の1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の者が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したものである。

 

これらの指標は、男女別に各年齢の人口と死亡数を基にして計算されており、現実の年齢構成には左右されず、死亡状況のみを表していることから、死亡状況を厳密に分析する上で不可欠なものとなっている。また、0歳の平均余命である「平均寿命」は、全ての年齢の死亡状況を集約したものとなっており、保健福祉水準を総合的に示す指標として広く活用されている。

 

なお、厚生労働省では、日本の生命表として、「簡易生命表」と「完全生命表」の2種類を作成・公表している。「簡易生命表」は、人口推計による人口と人口動態統計月報年計(概数)による死亡数、出生数を基に毎年作成している。一方、「完全生命表」は、国勢調査による人口(確定数)と人口動態統計(確定数)による死亡数、出生数を基に5年ごとに作成している。また、これらの生命表は、特に重要な統計として、統計法に基づき基幹統計に指定されている。