企業のDXへの取り組み|企業にとって新たな事業環境にあわせた事業変革は優先度の高い取組事項

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企業のDXへの取り組み

 

企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、将来の予測が困難となっています。そのため、企業にとって新たな事業環境にあわせた事業変革は優先度の高い取組事項となっています。このような中、企業は環境変化への迅速な対応や、システムのみならず企業文化をも変革していくDX(デジタルトランスフォーメーション)への取組が必要となっています。

DXはあらゆる業界に影響を及ぼします。クライアントサービス、デジタルメディア、物販など、どのような業界であっても、技術革新による製造、流通、カスタマーサービスの変革は可能です。

 

ビジネスの種類によって、顧客が一般消費者の場合もあれば、企業間取引(B2B)顧客の場合もあります。

 

顧客はデジタルテクノロジー(Digital Technology)とイノベーション(innnovation)に期待

 

デジタル時代の到来で、顧客は常にインターネットにつながっており、そのメリットを享受しています。

 

24時間365日ネットに接続しているため、取引先の企業に対しても24時間対応を求める声が高まっています。消費者行動にこのような変化をもたらした主な要因が、モバイルデバイスとソーシャルメディアです。

 

主な要因はAppleのiPhoneであると言われます。iPhoneは元々ビジネス向けに販売されていませんでした。しかし急速に人気が高まったため、他のデバイスではなくiPhoneを使いたいという従業員の要望を、企業のIT部門が受け入れざるを得なくなったのです。複数の大企業が採用したことで、職場におけるiPhoneの採用は急速に進みました。

 

iPhoneが職場におけるテクノロジー導入の常識を打破したわけです。使用してもよいデバイスをITリーダーが従業員に指示するのではなく、相当数の従業員がiPhoneの使用を求めたことにより、最終的にIT部門が同意する形になりました。この傾向は現在も続いており、「消費者向け」のテクノロジーが職場で採用されるケースは増加しています。

 

それ以上に注目すべきなのは、この流れが持つもう1つの意味合いです。企業向けソフトウェアが、消費者向け製品のデザインや機能の流れに追従するようになったのです。結局のところ、使いやすいものが一番ということです。

 

ミレニアル世代は、他のどの世代よりもデジタルファーストな思考を持っています。

 

PC、電化製品、スマートフォンアプリに囲まれて育った彼らは、職場でも、私生活で慣れ親しんでいるものと同じく、強力で使いやすいデジタルツールを使用したいと考えています。

 

DXとは、このデジタルファーストな思考にもとづいてすべての従業員を機能強化することにあります。

 

消費者が企業に対し、ソーシャルメディアや他のチャネルを通じて24時間365日の積極的な対応を求めるのと同様に、今の従業員は、時間や場所を問わず、簡単に情報へのアクセスやコラボレーションが行える環境で力を発揮します。デジタル環境に慣れ親しんだ従業員にとって、デジタル化は力強い味方なのです。

 

中堅・中小企業にとって、デジタル化されたビジネス環境を整えることには非常に大きなメリットがあります。

 

デジタル化は、顧客の期待に応えて従業員の機能強化を図るために重要なだけでなく、コストを抑えて生産性を上げる効果もあります。たとえば、全社で包括的なデータベースを共有し、顧客データにもとづいてメッセージやサービス戦略のパーソナライズを行い、従業員がモバイルデバイスで業務を行えるようにするなどのデジタル化を進めることで、業務効率が上がり、小規模なチームでも新規顧客の獲得と維持により多くの時間を割けるようになります。

 

さらに、会社の立ち上げ時からデジタル環境を構築しておけば、ビジネスの成長に合わせて容易にシステムを拡張できます。

 

デジタル人材育成

企業・産業のDX推進に不可欠な要素であるデジタル人材育成については、民間の取組が徐々に進んでいるものの、DXの進展に伴うデジタル人材需要の高まりに追いついていない状態です。デジタル人材は都市部、IT企業に偏在している状況であり、地域のユーザー企業においては人材獲得が困難な状況にあります。

デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)

経済産業省は、我が国企業の戦略的IT利活用の促進に向けた取組の一環として、東京証券取引所と共同で、中長期的な企業価値の向上や競争力の強化のために、経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT利活用に取り組んでいる企業を、「攻めのIT経営銘柄」として2015年より選定してきました。2020年からは、デジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に取り組む企業を、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」として選定しています。
東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定することで、目標となる企業モデルを広く波及させるとともに、IT利活用の重要性に関する経営者の意識変革を促すことを目的としています。また、投資家を含むステークホルダーへの紹介を通して評価を受ける枠組みを創設し、企業によるDXの更なる促進を図っています。

「企業価値貢献」及び「DX実現能力」という観点で評価を実施し、これらがともに高い企業を「DX銘柄」として選定しています。このほか、DXの裾野を広げていく観点で、「DX銘柄」に選定されていない企業の中から、注目されるべき取組を実施している企業については、「デジタルトランスフォーメーション注目企業(DX注目企業)」として選定するとともに、企業の競争力強化に資するDXの推進を強く後押しするため、「DX銘柄」選定企業の中から、業種の枠を超えて、“デジタル時代を先導する企業”を、「DXグランプリ」として選定しています。


DX銘柄2022選定企業33社の内、特に優れた取組を行った企業として以下の2社を選定

中外製薬株式会社(医薬品)【証券コード:4519】
日本瓦斯株式会社(小売業)【証券コード:8174】


DX銘柄2022(33社、業種・証券コード順)※DXグランプリ企業を除く

デジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「DX」に取り組む企業を、DX銘柄として選定。

清水建設株式会社(建設業)【証券コード:1803】
サントリー食品インターナショナル株式会社(食料品)【証券コード:2587】
味の素株式会社(食料品)【証券コード:2802】
旭化成株式会社(化学)【証券コード:3407】
富士フイルムホールディングス株式会社(化学)【証券コード:4901】
ENEOSホールディングス株式会社(石油・石炭製品)【証券コード:5020】
株式会社ブリヂストン(ゴム製品)【証券コード:5108】
AGC株式会社(ガラス・土石製品)【証券コード:5201】
株式会社LIXIL(金属製品)【証券コード:5938】
株式会社小松製作所(機械)【証券コード:6301】
株式会社IHI(機械)【証券コード:7013】
株式会社日立製作所(電気機器)【証券コード:6501】
株式会社リコー(電気機器)【証券コード:7752】
株式会社トプコン(精密機器)【証券コード:7732】
凸版印刷株式会社(その他製品)【証券コード:7911】
株式会社アシックス(その他製品)【証券コード:7936】
株式会社日立物流(陸運業)【証券コード:9086】
SGホールディングス株式会社(陸運業)【証券コード:9143】
株式会社商船三井(海運業)【証券コード:9104】
ANAホールディングス株式会社(空運業)【証券コード:9202】
KDDI株式会社(情報・通信業)【証券コード:9433】
ソフトバンク株式会社(情報・通信業)【証券コード:9434】
トラスコ中山株式会社(卸売業)【証券コード:9830】
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(銀行業)【証券コード:8354】
東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社(証券、商品先物取引業)【証券コード:8616】
SBIインシュアランスグループ株式会社(保険業)【証券コード:7326】
東京海上ホールディングス株式会社(保険業)【証券コード:8766】
東京センチュリー株式会社(その他金融業)【証券コード:8439】
株式会社GA technologies(不動産業)【証券コード:3491】
三井不動産株式会社(不動産業)【証券コード:8801】
応用地質株式会社(サービス業)【証券コード:9755】


DX注目企業2022(15社、業種・証券コード順)

「DX銘柄」に選定されていない企業の中から、特に企業価値貢献部分において、注目されるべき取組を実施している企業について、DX注目企業として選定。

 

株式会社ミライト・ホールディングス(建設業)【証券コード:1417】
キリンホールディングス株式会社(食料品)【証券コード:2503】
株式会社ワコールホールディングス(繊維製品)【証券コード:3591】
日立建機株式会社(機械)【証券コード:6305】
株式会社荏原製作所(機械)【証券コード:6361】
日本電気株式会社(電気機器)【証券コード:6701】
横河電機株式会社(電気機器)【証券コード:6841】
大日本印刷株式会社(その他製品)【証券コード:7912】
日本郵船株式会社(海運業)【証券コード:9101】
アジア航測株式会社(空運業)【証券コード:9233】
BIPROGY株式会社(情報・通信業)【証券コード:8056】
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(情報・通信業)【証券コード:9613】
アスクル株式会社(小売業)【証券コード:2678】
プレミアグループ株式会社(その他金融業)【証券コード:7199】
トランス・コスモス株式会社(サービス業)【証券コード:9715】

 

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