コロナ禍の勝ち組とは・・昔と変わらないのか|恩恵を受ける富裕層と更なる貧困が待ち受ける低所得層

NY Times

コロナ禍の勝ち組とは・・昔と変わらないのか|恩恵を受ける富裕層と更なる貧困が待ち受ける低所得層

 

Future2

 

新型コロナウイルスの大流行のさなか、米国の景気全体が落ち込んでいる状況ですが、米国の富裕層やホワイトカラーはかつてないほど豊かになったと言えます。

 

米労働統計局が発表した2020年12月の雇用統計では米国の失業率は6.7%となっています。さらに、コロナ禍で発生した雇用されているが休職扱いの人たちがデータのゆがみとなっている可能性があります。このゆがみを考慮すれば失業率は約7.3%だったと推計されています。ただ、コロナ禍(パニック〜パンデミック)による経済活動への影響は緩和されているともいえ、2020年3月ごろの14.8%からは低下傾向にあると言えます。

 

米国失業率

(参考)https://www.bls.gov/news.release/empsit.nr0.htm

 

失業者やホームレスなど生活に困る人が急増していますが、富裕層(high-net-worth)やホワイトカラー(white-collar)はこのような問題とほぼ無縁の状況と言えます。

 

富裕層やホワイトカラーは職業柄ですが、在宅勤務(リモートワーク・テレワーク)の恩恵を大いに受けているとも言えます。

 

さらに、中央銀行が積極的に進めているゼロ金利政策などの大規模金融緩和などの措置で低金利で住宅ローン、不動産投資ローン、不動産担保ローンを低金利で借り換えています。また、金融緩和により債券市場では巨額のマネーが投資先がなくなり、行き場を失ったマネーが株式市場に大量に流れ込んだこともあり記録的な株高となっています。

 

“債券市場での投資先がなくなる?”

 

とセミナーなどでよく聞かれることがありますが、、

 

債券市場では低金利すぎて買える債券がなくなってしまったことが背景にあります。筆者が円債のトレーダーをしていた頃の話ですがマイナス金利の影響からJGB(日本国債)を買うことができませんでした。10年〜30年債などはプラス金利で推移していますが、デュレーションを3〜5年以内にするのが債券運用の方針ですので長期債を多く積むことはできないのが現状です(保険会社の運用では長期運用が仕組み的に可能ですが支払いに問題が出てくることもあり円建ての個人年金保険の新規発売が見送られている状況にあります)。デュレーション(Duration)とは、債券投資における元本の平均回収期間を示すものです。

 

金利情報

金利情報

(出所)SMBC日興証券

 

新型コロナウイルスの感染拡大が長期化するなか、S&P500指数ダウ工業株30種平均が過去最高値を更新しています。

 

S&P500指数:米国株式市場の動向を示す株価指数のひとつ。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シーによって算出され時価総額をベースにした指数です。工業株400種、運輸株20種、公共株40種、金融株40種の各指数で構成されていて、採用銘柄は約40業種に及んでいます。ニューヨーク市場の時価総額の約75%をカバーしていて、市場全体の動きを表す指標として機関投資家などに広く利用されています。

 

ダウ工業株30種平均:1896年5月26日から米ダウ・ジョーンズ社が算出・公表している米国の代表的株価指数。ニューヨーク・ダウとも呼ばれます。工業株30銘柄の株価を単純に株数で割った株価平均型の株価指数ですが、指数の連続性を確保するため除数だけは変化しています。銘柄の入れ替えは、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の編集陣によって行われています。工業という意味に対しては広範な考えを持ち、鉄道と公共事業以外の会社であれば、すべての企業が対象となります。

 

富裕層やホワイトカラーは投資先である株式・債券の価格上昇によるキャピタルゲイン(売買益)で非常に潤っている状況にあると言えます。

 

日本でも中央銀行(日本銀行)によるETF(上場投資信託)が継続しており、日経平均株価(N225)は30,000円の大台に乗る勢いとなっています。

 

日本銀行の黒田東彦総裁は1月21日の金融政策決定会合後の記者会見で3月の政策点検について「政策運営の持続性を高めつつ、情勢変化には機動的に対応できるようにする」と語っており、新型コロナウイルスの感染が再拡大して物価も弱含むなか、緩和の長期化を見据えた政策修正に踏み出す構えであり、ETFについては購入枠にとらわれず、必要な時だけ買い入れる形に改める見通です。

 

米国では特に、こうした恩恵を受けることにより富裕層フォワイトカラーの家計の純資産が過去最高を更新する一方、多くの企業が恒久的な営業停止(特に中小企業)を余儀なくされ、多くの低所得層が失業状態にとどまり日々の食事に困る状況にあるとも言え、貧富の格差が今まで以上に広がっていると言えます。

 

民主党のバイデン政権は大規模な追加経済対策を計画していますが、急激な貧富の格差拡大を是正する手段は限られているとも言えます。

 

これからの時代では、個人ひとりひとりが将来を慎重に考えて行動する時代になると言えます。日本だけ皆平等の時代は終わりを告げており、米国の格差社会が絵空事ではなくなる時代がすぐそこに来ているのです。

 

ニューノーマルとはいいませんが「世界は昔とは明らかに変わっていく」のです。