バフェット氏が航空業界について語る!!ライブ配信された年次株主総会(BERKSHIRE HATHAWAY INC)
米資産家で著名投資家のウォーレン・バフェット氏は2020年5月2日、自身の率いる投資・保険会社バークシャー・ハサウェイが、保有していたデルタ航空とサウスウエスト航空、アメリカン航空グループ、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスの株式を全て手放したことを明らかにした。
バークシャーは4月に計65億ドル(約6950億円)相当の株式を手放したが、その大半がこれら米4大航空会社のものだった。バフェット氏は過去にUSエアウェイズ(当時)への投資で痛手を負った後、業界への投資を控える意向を示したが、2016年に再び株式保有に動いた経緯がある。
バフェット氏はライブ配信された年次株主総会で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の経済的影響により、航空事業が根本的に変容したと指摘。航空各社の経営幹部が危機を乗り越えるため首尾良く資金を調達したとして、各社経営陣の仕事ぶりを非難するのは避けた。
バフェット氏は「これは私のミスだ」と語り、自身が決定を下し、投資で損失を被ったと説明した。バークシャーは4月、デルタ航空とサウスウエスト航空の株式の保有を少なくとも減らしたことを明らかにしていた。
バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N)が2日発表した第1・四半期決算は、最終損益が500億ドル近い赤字となった。四半期の赤字額としては過去最大。同社は、新型コロナウイルスの影響により複数の主要事業で業績が低迷しているとした。
第1・四半期の最終損益は497.5億ドル(クラスA株1株当たり3万0,653ドル)の赤字。株式やその他投資に絡む545.2億ドルの損失が響いた。前年同期は216.6億ドル(同1万3,209ドル)の黒字となりました。
株式の評価損益を反映させる会計ルールにより、バークシャーは純損益の変動が大きくなっており、バフェット氏は営業損益のほうが業績をより適切に反映するとしています。
第1四半期の営業利益は58.7億ドル(クラスA株1株当たり約3,624ドル)と、前年同期の55.6億ドル(同約3,388ドル)から6%伸びています。
一方、事業部門の営業利益は3%減。鉄道会社BNSFや公益・エネルギー、製造業、サービス、小売りなどが軟調となっています。
バークシャーは、90を超える事業部門の多くが新型コロナによってマイナス影響を受けているとし、影響の程度は比較的小幅なケースから深刻な場合までさまざまだと指摘しています。4月は「必須」とされる事業でも売上高が著しく減速しているとしています。
BNSFは消費者向け商品や石炭の輸送量が減少し、自動車保険大手のガイコは未収保険料への引当金を計上しています。その他の事業でも給与カットや従業員の一時帰休、店舗の休業などを行っています。
手元資金は1,373億ドルと、2019年末の1,280億ドルから増加しています。バフェット氏が大規模な投資や株式購入に慎重になっていることが浮き彫りになったといえます。
第1四半期の株式購入額は差し引き18億ドルにとどまっています。17億ドルの自社株も購入したが、前四半期の購入額を下回っています。自社株取得の減少傾向は株価の下押し圧力になるとみられます。