新型コロナウイルスが転職市場に及ぼす影響

NewYork

社会人採用予定数の減少率は14.6%にとどまる

 

会社のコロナ対策への不満が、社員の転職意向を高める結果に

 

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区)は、「新型コロナウイルスが転職市場に及ぼす影響」のレポート結果を発表しました。

 

本レポート(https://www.mynavi.jp/news/2020/07/post_23955.html)は、社会人の正社員採用担当者を対象とした「臨時版転職ニーズ調査(1,808名)」、現在転職活動中または1年以内に転職活動をした20~59歳までの正社員を対象とした「転職活動者の行動特性調査(1,600名)」、正社員として働いている20代~50代の男女のうち、2019年に転職した社会人を対象とした「転職動向調査2020年版(1,500名)」の結果をまとめたものです。

 

【TOPICS】

・2020年4月の社会人の正社員採用予定数は、2019年12月と比較し14.6%の減少にとどまる。

・1年以内に転職した人のうち約3割は、新型コロナウイルス禍で再び転職活動を開始。

転職活動を行わない人と比べて、会社の新型コロナウイルス対策へ不満を持つ割合が約2倍。

・WEB面接を受けたことがある人は全体の約4割。

 

対面の面接と比較してもWEB面接で情報を得られたと回答したのは66.2%

 

【調査概要】
2020年4月時点で明確に採用を「減らす」「中止」とした企業の割合は16.4%だった。また、採用予定数も2019年12月から2020年4月で14.6%のマイナス(平均12.9名→平均11.0名)に留まっており、さほど大きな減少傾向には至っていない。

 

一方で、1年以内に転職活動を行い、まだ転職していない人と転職済みの人それぞれに、新型コロナウイルス感染拡大の影響後に活動を再開したかどうか聞いた。結果、既に転職済みである800名(※)の内230名(約3割)が、転職活動を再開したと回答した。

 

さらに、転職活動を再開した人の40.0%は、現在勤めている会社の新型コロナウイルス対策について不満と答えており、1年以内に転職して現在は転職を考えていない人に比べると1.7倍にあたることが分かった。新型コロナウイルスに対する従業員への対応が、人材の転職意向を高める可能性があることがうかがえる。

※2019年6月以降に転職活動を開始し、2020年5月までに転職が完了した人

 

なお、選考活動でWEB面接の経験がある人の割合は39.9%。そのうち80.1%が2020年3月以降にWEB面接を受けていると回答。2020年3月以降にWEB面接を受けている人のうち66.2%は、対面の面接と比べてもWEB面接で情報を得られたと回答した。WEB面接が浸透していることが分かる。

 


<本調査結果を受けての考察>

 

企業の中途採用予定数の減少については、直近の求人倍率が1.20倍と下降しているが、リーマンショック時の0.7倍と比較すると現状最小限に留まっていることが読み取れる。

 

一方求職者側は、新型コロナウイルスの影響下で、転職活動開始者が増えている傾向にある。企業側にとっては採用の好機と捉えることもでき、WEB面接をはじめ、このような状況下でも積極的な採用活動をおこなうことは重要であるといえるだろう。

 

今後の先行きが読めない中、人材流出の阻止という点も重要であり、新型コロナウイルス対策をはじめ、多様な働き方への対応を進め、就労環境を整えることが早急に求められるのではないか。