全国消費者物価指数(CPI)|インフレの勢いは?

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全国消費者物価指数(CPI)|インフレの勢いは?

 

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CPI

(出所) 総務省統計局

 

総務省統計局が2017年12月26日に公表した2017年11月の全国消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)、総合指数は100.9(2015年を100として指数化)と前年比(14ヵ月連続のプラス)+0.6%、前月比(季節調整値)+0.7%と物価の上昇トレンドを維持しています。

 

雇用関連指標(完全失業率や有効求人倍率)は堅調であり、購買意欲の高まりが物の価格上昇に寄与するかが今後の注目ポイントです。

 

CPI2

 

指標(わたし達が重視するべき指標)となる『生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)』は100.7(2015年を100として指数化)、前年比+0.9%(消費増税の影響を除いたベースで約3年ぶりの伸び率 + 11カ月連続のプラス)、前月比(季節調整値)+0.2%と堅調に推移しています。

 

前年比での上昇には、外国パック旅行費、食料品(除く生鮮食品)、石油製品(ガソリン・灯油)、宿泊料の価格上昇が大きく寄与しています。

 

「生鮮食品」は天候要因で値動きが激しいことがあり、生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は物価の基調をみるうえで重要な指標といえます。

 

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金融政策決定(日本銀行)における重要な指標であり、物価のより基調的な動きを反映するとされる『生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)」は101.0(2015年を100として指数化)、前年比+0.3%(5ヵ月連続のプラス)、前月比(季節調整値)+0.1%と小幅な上昇にとどまっています。

 

労働需給はタイト化(逼迫)していますが、ベアー(賃上げ)の勢いは弱いと言えます。日本銀行の予想に反し、労働需給のタイト化は物価上昇に結びついていない状況にあるといえます。

 

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「生鮮食品」は天候要因で値動きが激しいこと、「エネルギー」(ガソリン、電気代等)為替要因や海外要因で変動する資源価格(特に原油)の影響を直接受けることから、これらの一時的な要因や外部要因を除くことが消費者物価の基調を把握する上で有用とされています。

 

アメリカ等諸外国で重視されている指標と同様のものとして『食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合』指数が用いられることがあります。

 

同時に公表された、消費者物価指数の先行指標(全国CPI)とされる12月東京都区部費者物価指数(CPI)の総合指数は100.8(2015年を100として指数化)、前年比+1.0%、前月比(季節調整値)+0.3%と12月の全国のインフレ基調も堅調に推移する見込みです。背景には食料品、被服(婦人用セーター)及び履物や家庭用耐久財(冷暖房用器具など)の価格上昇があります。

 

『生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)』は100.3、前年比+0.8%、前月比(季節調整値)+0.1%と上昇トレンドを維持しています。『生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)』は100.8、前年比+0.4%、前月比+0.1%と小幅な上昇となりました。




日本銀行の金融政策

 

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金融政策決定会合では、『生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)』前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続するとしています。マネタリーベースの拡大とは、日本国債、ETF(上場投資信託)やJ-REIT(上場不動産投資信託)などの資産購入を指します。

 

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これはグローバルスタンダード(世界の中央銀行)をベースにした考え方ですが、日本銀行の金融政策が資源価格(特に原油)に影響を及ぼすことは限定的であり(なぜなら日本銀行は為替レートを金融政策の誘導目標とはしていないので)、日本銀行としては『生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)』をベースに金融政策のストラテジーを考えているといえます。

 

消費者物価指数の前年比が先行き2.00%に向けて上昇率を高めていく可能性は現時点では低いといえます。

 




インフレ?デフレ?|消費者物価指数を読み解く

 

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2001年3月に日本政府は『物価下落を伴った景気後退』から『物価の持続的な下落』と定義しなおして日本経済が緩やかなデフレ状態にあると発表しました。

 

今は2017年12月ですが・・・

 

『今はインフレ?』『それともデフレ?』どちらでしょうか。

 

日本経済はデフレ環境からは脱し、今はインフレですが、わたし達のイメージする『インフレ』と呼ぶには程遠い状況ではないでしょうか。

 

—HINT—————————————————————————————————–

 

インフレ(インフレーション)とは、普段購入している日用品やサービスの値段(物価)が上がり続けることをいいます。

 

良いインフレとは、需要の高まりを受けて商品の販売価格が値上がりすることにより企業が儲かり、それにより従業員の給料アップすること。消費者は物価上昇による生活費の増加を給料アップで吸収。給与アップにより商品が良く売れて企業が儲かるという好循環のサイクル

 

悪いインフレとは、商品の仕入れ価格の上昇(インフレにより原材料価格が高騰)ほど企業が商品価格に上乗せできず、企業業績が悪くなり、賃金が上がらないのに身の回りの商品が値上がりして家計を圧迫するという悪循環のサイクル

 

—HINT—————————————————————————————————–

 

物価動向の分析にあたっては、現実に観測される消費者物価の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率がよく利用されています。その際には、特定のコア指標に依存するのではなく、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握することができると考えられます。

 

このため、日本銀行では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表しています。

 

基調的なインフレ率を捕捉するための指標

(出所)日本銀行




消費者物価指数とは

 

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全世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格を総合した物価変動を測定し指数化した数値。すなわち指数計算に採用している各品目の物価がどう変化するかを月次で指数で示したもの。品目の価格は総務省実施の小売物価調査によって調査された小売価格を用いています。

 

◆消費者物価指数の対象範囲

 

消費者物価指数は、世帯の消費生活に及ぼす物価の変動(モノの価格の変化)を測定するものであり、家計の消費支出を対象としています。対象から除外としては、信仰・祭祀費(さいしひ)、寄付金、贈与金、他の負担費及び仕送り金があります。

 

また、直接税や社会保険料などの支出(非消費支出)、有価証券の購入、土地・住宅の購入などの支出(貯蓄及び財産購入のための支出)についても指数の対象には含まれません。なお、持家の住宅費用については、帰属家賃方式により指数に組み入れられています。

 


 



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