資産運用において原油価格の動向をwatchすることは非常に重要

日々の生活ではガソリン価格を目にすることはあれど、原油価格を見ることはないでしょう。

資産運用において原油価格の動向をwatchすることは非常に重要といえます。

原油価格の指標となっているWTI（ウエスト・テキサス・インターミディエートのことで米国の西テキサス地方で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のこと）は、11月23日に一時1年ぶり安値となる50.15ドル（取引時間中）を付けましたが、2018年12月7日の石油輸出国機構（OPEC|Organization of the Petroleum Exporting Countries）による減産合意で52ドルを回復しています。

OPECは、石油メジャー（ExxonMobil、Shell、BP、Chevron、Total）などから石油産出国の利益を守るため1960年に設立されました。当初はイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5カ国でしたが、後にカタール、アルジェリアなどが加わり、現在13カ国が加盟しています。

1970年代に石油の価格決定権を石油メジャーから奪い、2度のオイルショックを引き起こしました。1980年代半ばに価格決定権は自由市場に移りましたが、今でも全世界の原油生産量の4割以上、埋蔵量の7割以上を占めることから、生産調整などにより原油価格に大きな影響を及ぼす存在となっています。

国家の財政収入の大半を石油収入に依存している石油産出国においては、原油価格の下落は国家財政を直撃します。その余波として、自国民に対して補助金の撤廃や投資の削減等の緊縮策を打ち出すくにがあります。

米トランプ政権の意向を受けて産油国であるサウジアラビアによる追加減産が消極的であることや最大の原油消費国である中国経済の減速警戒感が挙げ要因として下押し圧力は継続するとみています。

原油価格は市場にとって好ましい50ドル台で推移する場合には、大半の企業にとってはエネルギー価格や原材料費といったコストの削減にも繋がるため株式市場にとってはプラスといえます。

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