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ベンチャー企業が内定辞退を避ける方法とは
世界経済は今後も拡大傾向が続くとみられていますが、日本経済にとっては高齢化や人口減少などの進行が足かせとなっており、転職活動は不安定になる可能性があります。
ただ、働き方改革や少子化の影響から応募は集まるが内定辞退される、内定辞退企業が多く見受けられます。
知り合いのベンチャー企業は、事業拡大のため、長期にわたって若手社員を募集してきましたが、2016〜2018年の3年間で5名しか採用できておらず、大いに苦戦していました。
背景には、インセンティブ(賞与)の比率が高いなど競合他社と比較しても好条件の求人だったため、応募はある程度集まっていましたが、面接後、内定を出しても承諾に至らないという状況が続いていました。
そこで、相談を受けた筆者と共同で人事担当者は問題の解決に取り組むことにしました。
まず着手したのは【面接のプロセス】についてです。
面接はもともと社長を含む役員全員と面接することになっており、そのうち誰か1名でも不合格の判断をすると採用を見送るルールになっていました。
それでは、面接回数が多い割に判断基準が厳しく、1次面接から内定までの時間もかかるため、活躍できる可能性がある優秀な人材を競合他社に逃している状況にありました。
特にベンチャー思考の強い候補者は短時間で内定取得を目指す傾向にあるからです。
理由としては、現在働いている会社に大きな不満を持っている場合が多く、転職時期を決めて転職活動するからです。
対策として、「1回の面接で決める(同時に複数の面接官を同席させる)」ことを試すことにします。
ただこれは、実際にやってみると逆にスピードが早すぎて求職者が併願している企業との足並みが揃わず、並行して応募している企業の選考結果を待ちたい候補者の辞退を招いてしまいました。ここが大手企業との大きな違いがありました。
そこで、内定後の辞退を防ぐための面談によるフォローを提案しました。
同時に、定着率の低さを改善するため、面接の「内容」にもてこ入れをしました。人事担当者は、過去に面接を受けた候補者への面談・面接内容を定期的に確認するように助言しました。
分析の結果、「うちは残業多いし厳しいけど大丈夫?」といったやや高圧的な質問がされるなど、候補者自身が入社後に活躍するイメージを想像できていないことが分かりました。
ただ、ベンチャー企業は限られた人員で業務していることもあり、一人あたりの役割が多いことがほとんどであり、特に大手企業からの転職者の場合にはイメージと大きく乖離していることがあり、マッチングの観点からいうとこの質問は間違いではありませんし、夢のように働きやすいベンチャー企業というものは、ほぼ皆無と理解しとくほうが懸命でしょう。
その点については相互に共通理解を深めることが必須であり、仮に採用し働き始めてもギャップを感じて離職する場合がほとんどです。
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最近はメルカリやZOZOTOWNが脚光を浴びていますが、ベンチャーの規模にもよりますが内部体制が整っていないことがほとんどですし、上場に向け多大な業務(IPOに向けた外部監査への対応やコンプライアンス体制の構築)をこなす必要があります。
このことを踏まえて、人事担当者は面接官となる方にコミュニケーションを改善してもらうよう働きかけたほか、候補者の方へ、面接前に企業理解を深めてもらえるような情報提供を頻繁に行うように指導しました。
こうしたさまざまな取り組みの結果、2019年の採用人数は大幅に増加しました。入社後の研修など、定着施策についても積極的に取り組み採用した中に早期退職した人は1名もいませんでした。
こういった取り組みはベンチャー企業にとって不可欠と言えるのではないでしょうか。なぜなら、一人あたりの役割が大きということは1名でも離職者を出すことが業務負担を倍増させることがあるからです。
内定者へのスムーズな退職をサポートすることで内定辞退を防ぐ方法
「内定をいただいたので上司に退職の旨を伝えたところ、強い引き止めに遭い、退職交渉が難航しています…」
これは転職が決まった方に時々ある話です。
特に、新卒入社で初めてお世話になった先輩や上司、同僚から「もう少し一緒に頑張ってみようよ」などと声をかけられれば、一度決心した気持が揺らぐのも仕方ないと、誰もが思うところでしょう。
しかし、内定を出した企業の立場からすれば、内定後に辞退されてしまうと社内の関係各所や事業そのものに小さからず影響が及びます。
そうした事態を避けるには、内定者を入社まで上手にサポートする人事担当者の存在が大切になってきます。
ある企業の人事担当者は、「困ったことがあったらいつでも連絡して」と、自分の携帯電話の番号を内定者に伝えているといいます。
内定者からすれば、いつでもコンタクトできるホットラインがあるだけで心強いことでしょう。
実際、退職の段取りについて相談に乗り、ふとした不安も取り除くことで、内定者は円満退職して、約束の出社日に元気に現れるのだそうです。
初めて転職する人にとっては、「退職」も初めての経験といえます。お世話になった会社に迷惑をかけないように退職するにはどうすればいいのか、悩む人は少なくありません。
「転職先で今まで以上に頑張りたい」と決心した内定者がスムーズに退職できるようサポートすることも、採用成功を確実にするための人事の重要な役割だといえるでしょう。
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